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橋爪あきのブログ

睡眠不足が最悪の凶器と化す! 

アドバイス担当医師 順天堂大学大学院公衆衛生学教授 谷川武先生 

谷川先生は睡眠時無呼吸研究の日本における第一人者であり、産学共同ではたくさんの研究成果を出されています。
特に、交通機関に従事する人々の健康管理を行う国交省の取り組みに尽力され、また厚労省の働き方改革においては
「医師の働き方改革」について提唱されるなど、幅広い社会的視野をもって活動されています。

眠気がないのに、突然眠ってしまうことがある!

睡眠時無呼吸が招く睡眠不足が、高血圧・糖尿病・循環器系の疾患などへ発展し、死亡率がとても高いことは
他のコラムで述べました。
しかし、個人の健康の問題だけでなく、睡眠不足が様々な大事故を引き起こすことは、意外に知られていません。

でも、居眠り運転と言えば、身近なことですね。
では、居眠り運転をしている人は、みな眠気を自覚していたと思いますか?

そういう人もいるでしょうが、眠気のないまま、突然眠りに落ちることがあるのです。
「睡眠不足状態が慢性的になると、脳が自動的に寝てしまう、つまり、マイクロスリープがおこるのです。意識を失ってしまうケースもあります」と谷川先生。

「マイクロスリープ」は、短くて数分の一秒、長くても30秒程の睡眠。
皆さんも会議中や電車の中でのあの、「カクッと行く」睡眠を経験したことはありますよね。

それが、運転中だったら? 原発やロケットのエンジニアだったら?

原発事故1小サイズ
 

これは大変なことになるでしょう。

睡眠不足の起こした大惨事! 

大変なことになるでしょうではなく、すでに、とっくの昔になっていたんですね・・・。
例えば、70年代のアメリカのスリーマイル島原発の爆発事故、80代のスペースシャトルチャレンジャーの爆発事故、
90年代のボーイング機の墜落事故などなど。

日本では2003年の新幹線運転士の居眠り運転や2017年のヘリコプター操縦士の居眠り事故などなど。
世界中で言ったら枚挙にいとまがありません。

飛行機事故1小サイズ

以前、谷川先生が実施されたある簡易検査の結果では、トラックやバス運転手で睡眠時無呼吸症候群に当たる者の、なんと80%が自分では強い眠気はないということでした・・・。

谷川先生が、こうしたことを法律関係者にお話ししたそうですが、「初めは分かってもらえなかった」とおっしゃいます。

確かに、睡眠負債という言葉が世間にとりあげられたのは、2017年でした。
それ以前は睡眠に関しての社会的認知度が低く、国土交通省のお役人に認めてもらうのは難しかったでしょう。


睡眠のせいかもしれないと疑ってみることが必要

読者の方々の中には、私は無呼吸じゃないから大丈夫というかたもいらっしゃるかも。
でも、夜更かし、生活リズムの乱れ、過度のストレス、不眠症状、飲酒、喫煙など、睡眠不足を招く要因はたくさんあります。

そして睡眠不足は眠気を強めるだけではなく、認知機能を低下させます。
集中力・注意力・判断力・思考力などが落ちていれば、たとえ眠気がなくとも、事故の危険はあるのです!

最近、集中力がない、疲れる、いまいち調子が出ないと思ったら、睡眠のせいかもしれないと疑ってみることが必要です。

何事も気づきが大事です!
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